【防災力:2】プラウドシティ金町ガーデン

「東南海トラフ地震」「首都直下地震」等の大地震や、千年に一度といわれるような「スーパー台風」「線状降水帯豪雨」等の大水害等に遭遇しても、家族の”命”と”財産”を守ることのできる可能性が高い不動産であるか否かを簡易評価します。
災害に強い不動産は資産性も保たれます。
※建物が壊れたら資産性どころの話ではないので。

物件名 プラウドシティ金町ガーデン

[所在地] 〒125-0041 東京都葛飾区東金町1丁目3−7

防災力 Level 2
地盤 []液状化、地盤増幅率が非常に高い、軟弱地盤
浸水 []高潮約2.4m、江戸川氾濫3.0m未満の浸水可能性
建物 []概ねシンプルな形状
火災 []接道状況及び系統連続性は良好
※5段階評価で5が最も安全(判断基準はこちら)

 標高・地形

標高約1m、東京東部の低地帯(盛土地)に位置します。
東京都建設局が公開している「東京の液状化予測図」では、「液状化の可能性がある地域」に含まれています。
対象地は、最も新しい地層である「沖積層」の堆積エリアに含まれます。沖積層は、まだ固まり切っていない軟弱な地層であり、地震時に揺れやすい傾向があります。

※ [国土地理院地図] → [土地の成り立ち・土地利用] → [土地条件図]


※ 東京都建設局 → [東京の液状化予測図]

 表層地盤増幅率

表層地盤における地震時の揺れの大きさを示す地盤増幅率は”2.2”です。
非常に高い数値であり、大地震時に震度7となる可能性が高い場所です。
※地盤増幅率が”1.8”以上だと地盤が弱い(揺れやすい)とされます。推奨レベルは”1.6”以下です。

※ [J-SHIS Map(提供:防災科学技術研究所)] → [表層地盤]

【参照】高台立地が原則だが、高台でもダメな場所がある(J-SHIS Mapの見方)

近隣のボーリング調査

敷地内に公開されたボーリング調査地点はありません。
周辺にある調査地点では、
深度28mほどまでN値3以下の柔らかい地層が続いています。
それ以降、深度50mを超えてもN値20以下の地層が存在する地点が複数あります。
支持層の深さは53m超のようです。
地下水位の下に砂質の地層が広がっているので、液状化の可能性は否定できません。
地中の深いところまで柔らかい地層が続き、支持層も非常に深く、液状化の可能性もあるので、「軟弱地盤」といえる場所です。
※地層は、数メートル離れただけで大きく変わることがあるので、購入の際には、当該地の地盤調査報告書を取り寄せましょう。

浸水リスク

高潮により最大約2.4mの浸水可能性が指摘されています。
雨水出水(内水氾濫)により最大約1.5mの浸水可能性が指摘されています。
江戸川の氾濫では、0.5m~3.0m未満の浸水可能性が指摘されています。
対象地は、江戸川と中川に挟まれた低地に位置します。昨今「想定外」の災害が毎年のように起きていることを想起しますと、ハザードマップの想定を超える事態はあり得ます。

【高潮ハザードマップ】

※ [東京都港湾局] → [高潮リスク検索サービス]

【雨水出水】

※ [東京都建設局 浸水予想区域図] → [浸水リスク検索サービス]

【葛飾区洪水ハザードマップ】

※ 江戸川が氾濫した場合の浸水想定区域図

 建物

2010年1月竣工のRC造地上19階建です。
施工会社は、当時中堅ゼネコンクラスであった「東海興業」です。
東海興業は、1997年7月に会社更生法を申請、2005年3月に更生手続きが終結したものの、2013年4月に民事再生法を申請することとなっています。
本件建物の施工期間は、東海興業の経営が苦しい時期とは重なっていないと思われるので、特に問題はないと考えます。
少し階層が高いですが、概ねシンプルな形状なので、建物自体の損壊リスクは低いと判断します。

【参照】耐震等級“1”のマンションは震度7に耐えられない?

 接面道路

葛飾区は、区道の幅員情報をWEB公開していないため詳細は不明ですが、敷地周辺には、十分な幅員の区道が整備されています。
南方にある水戸街道(国道)等との接続は容易であり、系統連続性は良好です。
接道状況及び系統連続性は良好であり、火災時の災害リスクは低いです。

地域危険度調査

東京都の「地震に関する地域危険度測定調査」によると、「東金町1丁目」の地域危険度は“2”(※)であり、災害に比較的強い地域であるとされています。
※地域危険度は、5段階評価で1が最も安全であることを示しています。

周辺環境他

「警視庁犯罪情報マップ」の「全刑法犯発生数2023年累計」を見ると、東金町1丁目は108件となっており、治安は“5段階で最悪レベル”です。

 本マンションの総評

江戸川と中川に挟まれた低地に位置し、「液状化の可能性がある地域」及び「沖積層の堆積エリア」に該当します。
表層地盤増幅率は非常に高い数値です。
ボーリング調査でも、地中の深いところまで柔らかい地層が存在し、支持層も非常に深く、液状化の可能性もある、いわゆる「軟弱地盤」であることが把握できます。
高潮により約2.4m、江戸川氾濫により3.0m未満の浸水可能性が指摘されています。
建物自体の損壊リスクは低いと判断します。
接道状況及び系統連続性は良好であり、火災時の災害リスクは低いです。

「液状化の可能性がある地域」及び沖積層エリアに該当し、表層地盤増幅率が非常に高く、ボーリング調査でも「軟弱地盤」であることが把握されるので、地盤リスクは非常に大きく、マイナス2とします。高潮及び江戸川の氾濫リスクも顕在なので、浸水リスクも大きいです。これらを総合的に勘案し、防災力を“レベル2”とします。 (5段階評価で5が最も安全)

≪注意事項≫
1. 本件評価は、不動産鑑定評価の手法に則ったものではありません。公開された情報のみを根拠とした「簡易評価」であり、実際に購入の判断をする際には、より詳細な調査が必要となります。
2. 本件評価の「リスク評価」は相対的なものです。防災上、“絶対に安全”といえる立地はありません。
3. 本件評価により損害や紛争が発生した場合でも、当社は責任を負いません。