【防災力:4】パークコート市ケ谷ノーブルヒルズ

「東南海トラフ地震」「首都直下地震」等の大地震や、千年に一度といわれるような「スーパー台風」「線状降水帯豪雨」等の大水害等に遭遇しても、家族の””と”財産”を守ることのできる可能性が高い不動産であるか否かを簡易評価します。
災害に強い不動産は資産性も保たれます。
※建物が壊れたら資産性どころの話ではないので。

物件名 パークコート市谷仲之町




[所在地] 〒162-0064 東京都新宿区市谷仲之町1−7

防災力 Level 4
地盤 []崖上マンション、液状化リスク
浸水 []浸水可能性の指摘なし
建物 []2007年竣工の中低層RC造建物
火災 []系統連続性はやや劣る
※5段階評価で5が最も安全(判断基準はこちら)

 標高・地形

敷地の台地部分の標高は30m~33mほどです。敷地の南側が崖地(擁壁)となっており、その下部分(谷底低地)は標高約25m~26mです。
法面(崖地)の場合、表層面が高い方から低い方へと動こうとする自然の力が働きます。そのため、長い年月の間に地面がずれることがありえます。擁壁でしっかり押さえているので問題ないと見る向きもありますが、平坦地と比較したら、地盤リスクがないとはいえません。
また、南側隣地との境界に高低差があるため擁壁を設置しており、擁壁も築年が古くなると補修が必要となります。修繕費用(保守管理費用)が必要というコスト面の問題だけでなく、メンテナンスしないと地盤リスクが高くなる土地ということもできます。
対象地の南側法面(崖地)部分は「急傾斜崩壊危険箇所」、崖下の部分は「液状化の可能性がある地域」に指定されています。

※ [国土地理院地図] → [土地の成り立ち・土地利用] → [土地条件図]


※敷地の南側が「急傾斜地崩壊危険箇所」、崖下の部分が「液状化の可能性がある地域」に指定されている。[新宿区がけ・擁壁ハザードマップ]

 表層地盤増幅率

対象地付近における、表層地盤(地表近くの地層)の地震時の揺れの大きさを示す地盤増幅率は”1.55”となっています。
都区内の武蔵野台地エリアでは標準的な数値であり、地震時の揺れが大きくなる可能性は低い場所です。
※地盤増幅率が”1.8”以上だと地盤が弱い(揺れやすい)とされます。推奨レベルは”1.6”以下です。

※ [J-SHIS Map(提供:防災科学技術研究所)] → [表層地盤]

【参照】高台立地が原則だが、高台でもダメな場所がある(J-SHIS Mapの見方)

近隣のボーリング調査

敷地内に公開されたボーリング調査地点はありません。
周辺にあるボーリング調査地点の柱状図では、深度18m~26mほどまで支持層となるような固い地層が表出しない場所が多いです。
これらの場所は、マンション用地としてあまり良い地盤とは言えませんが、地震時に揺れが大きくなるリスクを感じるほどの柔らかい地層でもありません。
※地層は、数メートル離れただけで大きく変わることがあるので、購入の際には、対象地の地盤調査報告書を取り寄せましょう。

浸水リスク

浸水可能性は指摘されていません。

※ [東京都建設局 浸水予想区域図] → [浸水リスク検索サービス]

 建物

2007年12月に竣工した中低層RC造建物(地上6階建)です。施工会社は、スーパーゼネコンの「鹿島建設」です。建物損壊リスクは低いでしょう。

 接面道路

北側区道(幅員約5.6m)に接面する中間画地です。
この接面道路は一方通行路である上に、西方に進むとカーブ箇所で幅員3mほどとなることから、系統連続性は「やや劣る」とします。
ただ、救急車両のアクセスに必要な、東方の外苑東通りから対象地までの道路幅員に問題はないので、火災時の災害リスクは低いと判断します。

地域危険度調査

東京都の「地震に関する地域危険度測定調査(第9回:令和4年9月公表)」によると、「市谷仲之町」の地域危険度は“1”(※)となっており、災害に強い地域であるとされています。
※地域危険度は、5段階評価で1が最も安全であることを示しています。

周辺環境他

「警視庁犯罪情報マップ」の「全刑法犯発生数2022年累計」を見ると、市谷仲之町は1件となっており、治安は“5段階で1番安全なレベル”となっています。

 本マンションの総評

敷地の南側が崖地で、擁壁の下は「液状化の可能性がある地域」に指定されています。
浸水可能性は指摘されていません。
2007年に竣工した、スーパーゼネコンが施工した中低層RC造建物であり、建物損壊リスクは低いと判断します。
緊急車両の通行に問題はないので、火災時の災害リスクは低いと判断します。

いわゆる「崖上マンション」です。擁壁の下が「液状化の可能性がある地域」に指定されており、地盤リスクがないとはいえません。ただ、その他のリスクは低いので、防災力を“レベル4”とします。(5段階評価で5が最も安全)

≪注意事項≫
1. 本件評価は、不動産鑑定評価の手法に則ったものではありません。公開された情報のみを根拠とした「簡易評価」であり、実際に購入の判断をする際には、より詳細な調査が必要となります。
2. 本件評価の「リスク評価」は相対的なものです。防災上、“絶対に安全”といえる立地はありません。
3. 本件評価により損害や紛争が発生した場合でも、当社は責任を負いません。