【防災力:3】ミオカステーロ雪ヶ谷アルテパラッツオ
「東南海トラフ地震」「首都直下地震」等の大地震や、千年に一度といわれるような「スーパー台風」「線状降水帯豪雨」等の大水害等に遭遇しても、家族の”命”と”財産”を守ることのできる不動産であるか否かを簡易評価します。
災害に強い不動産は資産性も保たれます。
※建物が壊れたら資産性どころの話ではないので。
物件名 ミオカステーロ雪ヶ谷アルテパラッツオ
[所在地] 〒145-0066 東京都大田区南雪谷5丁目20−10
防災力 | Level 3 |
地盤 | [4]ボーリング調査が比較的良好 |
浸水 | [1]氾濫浸水区域内で、約3.4mの浸水可能性 |
建物 | [4]2003年竣工の中層RC造建物 |
火災 | [4]系統連続性は普通 |
※5段階評価で5が最も安全(判断基準はこちら) |
標高・地形
●標高8m前後、呑川流域の谷底低地に位置します。
●対象地は、最も新しい地層である「沖積層」の堆積エリアに含まれます。沖積層は、まだ固まり切っていない軟弱な地層であり、地震時に揺れやすい傾向があります。
※ [国土地理院地図] → [土地の成り立ち・土地利用] → [土地条件図]
表層地盤増幅率
●表層地盤における地震時の揺れの大きさを示す地盤増幅率は”1.71”です。
●都区内の武蔵野台地エリアでは高い数値であり、地震時の揺れが大きくなる可能性が高い場所です。
※地盤増幅率が”1.8”以上だと地盤が弱い(揺れやすい)とされます。推奨レベルは”1.6”以下です。
※ [J-SHIS Map(提供:防災科学技術研究所)] → [表層地盤]
【参照】高台立地が原則だが、高台でもダメな場所がある(J-SHIS Mapの見方)
近隣のボーリング調査
●敷地内に公開されたボーリング調査地点はありません。
●周辺にある調査地点では、表層にはN値0の非常に柔らかい地層がありますが、支持層に深度7m~9mで到達するようです。
●表層面は柔らかいですが、支持層が浅いので、マンション適地といえます。
※地層は、数メートル離れただけで大きく変わることがあるので、購入の際には、当該地の地盤調査報告書を取り寄せましょう。
浸水リスク
●最大約3.4mの浸水可能性が指摘されています。3m超の浸水リスクは都区内の武蔵野台地エリアで最悪レベルです。
●敷地は、赤い線で表示される「呑川が氾濫した場合の浸水区域」内に位置しており、想定を超える大雨が降った場合には、浸水被害が拡大する可能性があります。
※ [東京都建設局 浸水予想区域図] → [浸水リスク検索サービス]
建物
●2003年8月竣工の中層RC造建物(地下1階地上7階建)です。
●施工会社は、「アークスコーポレーション」及び「日本コムシス」の共同企業体です。
●複雑な形状ですが、中層RC造建物なので、大きな損壊リスクはないと判断します。
接面道路
●南東側(幅員約7.2m)、北西側(幅員約7.2m)の2本の区道に接面している2方路地です。
●北方の中原街道への経路には踏切があり、その他の幹線道路まで直線的にアクセスできる道路はないので、系統連続性は普通と判断します。
●接道状況及び系統連続性に問題はなく、火災時の災害リスクは低いと判断します。
地域危険度調査
東京都の「地震に関する地域危険度測定調査」によると、「南雪谷5丁目」の地域危険度は“1”(※)であり、災害に強い地域であるとされています。
※地域危険度は、5段階評価で1が最も安全であることを示しています。
周辺環境他
●「警視庁犯罪情報マップ」の「全刑法犯発生数2023年累計」を見ると、南雪谷5丁目は11件となっており、治安は“5段階で1番安全なレベル”です。
●東海道新幹線他JRの線路と隣接していますので、騒がしく感じる可能性があります。
本マンションの総評
●沖積層の堆積エリアに該当し、表層地盤増幅率がやや高い、呑川流域の谷底低地に位置します。
●ボーリング調査は良好です。
●敷地は氾濫浸水区域内に位置し、最大約3.4mの浸水可能性が指摘されています。
●中層RC造建物なので、損壊リスクは低いと判断します。
●接道状況及び系統連続性に問題はなく、火災時の災害リスクは低いと判断します。
⇒沖積層の堆積エリアに該当する上、表層地盤増幅率が高い谷底低地ですが、周辺のボーリング調査は良好なので、大きな地盤リスクはないと判断します。呑川の氾濫浸水区域内に位置し、最大3mを超える浸水可能性が指摘されているので、浸水リスクだけで防災力をマイナス2とします。よって、防災力を“レベル3”とします。(5段階評価で5が最も安全)
≪注意事項≫
1. 本件評価は、不動産鑑定評価の手法に則ったものではありません。公開された情報のみを根拠とした「簡易評価」であり、実際に購入の判断をする際には、より詳細な調査が必要となります。
2. 本件評価の「リスク評価」は相対的なものです。防災上、“絶対に安全”といえる立地はありません。
3. 本件評価により損害や紛争が発生した場合でも、当社は責任を負いません。