【防災力:1】ローヤルシティ新小岩

「東南海トラフ地震」「首都直下地震」等の大地震や、千年に一度といわれるような「スーパー台風」「線状降水帯豪雨」等の大水害等に遭遇しても、家族の”命”と”財産”を守ることのできる不動産であるか否かを簡易評価します。
災害に強い不動産は資産性も保たれます。
※建物が壊れたら資産性どころの話ではないので。

物件名 ローヤルシティ新小岩

[所在地] 〒132-0031 東京都江戸川区松島3丁目46−16

防災力 Level 1
地盤 []液状化、地盤増幅率が最悪レベル、軟弱地盤
浸水 []高潮約4.5m、荒川等氾濫3m~5m未満
建物 []概ねシンプルな形状
火災 []接道状況及び系統連続性は良好
※5段階評価で5が最も安全(判断基準はこちら)

 標高・地形

標高-1m前後の「海抜ゼロメートル地帯」に位置します。
東京都建設局が公開している「東京の液状化予測図」では、「液状化の可能性が高い地域」に含まれています。
対象地は、最も新しい地層である「沖積層」の堆積エリアに含まれます。沖積層は、まだ固まり切っていない軟弱な地層であり、地震時に揺れやすい傾向があります。

※ [国土地理院地図] → [土地の成り立ち・土地利用] → [土地条件図]


※ 東京都建設局 → [東京の液状化予測図]

 表層地盤増幅率

表層地盤における地震時の揺れの大きさを示す地盤増幅率は”2.54”です。
全国的にも最悪レベルの数値であり、大地震時に震度7となる可能性が高い場所です。
※地盤増幅率が”1.8”以上だと地盤が弱い(揺れやすい)とされます。推奨レベルは”1.6”以下です。

※ [J-SHIS Map(提供:防災科学技術研究所)] → [表層地盤]

【参照】高台立地が原則だが、高台でもダメな場所がある(J-SHIS Mapの見方)

近隣のボーリング調査

敷地内に公開されたボーリング調査地点はありません。
周辺にある調査地点では、
深度26m~28mほどまでN値0~3の柔らかい地層が続いています。
深度35m過ぎまでN値10未満の地層が続きます。
支持層の深さは57m余りのようです。
地下水位の下に砂質の地層がが広がっているので、液状化の可能性は高いです。
地中の深いところまで柔らかい地層が続き、液状化の可能性も高い、いわゆる「軟弱地盤」です。
※地層は、数メートル離れただけで大きく変わることがあるので、購入の際には、当該地の地盤調査報告書を取り寄せましょう。

浸水リスク

高潮により最大約4.5mの浸水可能性が指摘されています。
荒川等の氾濫では、3m~5m未満の浸水可能性が指摘されています。
中川等の氾濫で、最大0.8mの浸水可能性が指摘されています。
対象地は、荒川と江戸川に挟まれた「海抜ゼロメートル地帯」に位置します。
昨今「想定外」の災害が毎年のように起きていることを想起しますと、ハザードマップの想定を超える事態はあり得ます。

【高潮ハザードマップ】

※ [東京都港湾局] → [高潮リスク検索サービス]

【荒川等が氾濫した場合の浸水想定区域】

※重ねるハザードマップ (出典:「ハザードマップポータルサイト」)

【中川等の氾濫】

※ [東京都建設局 浸水予想区域図] → [浸水リスク検索サービス]

 建物

2004年11月竣工のSRC造地上15階建です。
施工会社は、当時中規模のマンションデベロッパーであった「藤澤建設」です。
藤澤建設は、2009年10月に特別清算開始決定を受けました。ただ、本件マンションの施工期間に当たる2004年は業績が好調であったようなので、施工に特段の問題はないと判断します。
概ねシンプルな形状なので、建物自体の損壊リスクは低いでしょう。

【参照】耐震等級“1”のマンションは震度7に耐えられない?

 接面道路

北東側都道(幅員約18m)、南側区道(幅員約6m)の2本の道路に接面する角地です。
接道部分では、敷地後退をして歩道を整備・拡張しています。
平和橋通り(都道)に接面しているので、系統連続性は良好です。
接道状況及び系統連続性は良好であり、火災時の災害リスクは低いです。

地域危険度調査

東京都の「地震に関する地域危険度測定調査」によると、「松島3丁目」の地域危険度は“4”(※)であり、災害リスクが大きい地域であるとされています。
※地域危険度は、5段階評価で1が最も安全であることを示しています。

周辺環境他

「警視庁犯罪情報マップ」の「全刑法犯発生数2023年累計」を見ると、松島3丁目は41件となっており、治安は“5段階で4番目の悪いレベル”です。

 本マンションの総評

「海抜ゼロメートル地帯」に位置し、「液状化の可能性が高い地域」及び「沖積層の堆積エリア」に該当します。
表層地盤増幅率は全国的にも最悪レベルの高い数値です。
ボーリング調査でも、地中の深いところまで柔らかい地層が続き、液状化の可能性が高い、いわゆる「軟弱地盤」であることが把握できます。
高潮で約4.5m、荒川等の氾濫で3m~5m未満等の浸水可能性が指摘されています。
建物自体の損壊リスクは低いでしょう。
接道状況及び系統連続性は良好であり、火災時の災害リスクは低いです。

「液状化の可能性が高い地域」及び沖積層エリアに該当し、表層地盤増幅率が全国的にも最悪レベルな上に、ボーリング調査でも「軟弱地盤」といえる結果なので、地盤リスクは非常に大きいです。高潮で約4.5m、荒川氾濫で3m~5m未満等の浸水可能性も指摘されているので、浸水リスクも非常に大きいです。よって、防災力を“レベル1”とします。 (5段階評価で5が最も安全)

≪注意事項≫
1. 本件評価は、不動産鑑定評価の手法に則ったものではありません。公開された情報のみを根拠とした「簡易評価」であり、実際に購入の判断をする際には、より詳細な調査が必要となります。
2. 本件評価の「リスク評価」は相対的なものです。防災上、“絶対に安全”といえる立地はありません。
3. 本件評価により損害や紛争が発生した場合でも、当社は責任を負いません。