【防災力:3】ライオンズスクエア用賀

「東南海トラフ地震」「首都直下地震」等の大地震や、千年に一度といわれるような「スーパー台風」「線状降水帯豪雨」等の大水害等に遭遇しても、家族のと”財産を守ることのできる可能性が高い不動産であるか否かを簡易評価します。
災害に強い不動産は資産性も保たれます。
※建物が壊れたら資産性どころの話ではないので。

物件名 ライオンズスクエア用賀

[所在地] 〒158-0096 東京都世田谷区玉川台2丁目39−16

防災力 Level 3
地盤 []表層地盤増幅率及びボーリング調査が悪い
浸水 []少し深めの内水氾濫可能性
建物 []全体的にどっしりとした形状
火災 []接道状況及び系統連続性は良好
※5段階評価で5が最も安全(判断基準はこちら)

 標高・地形

標高37mほど、台地の端に位置します。
対象地は、12万年前~16万年前に作られたという「埋没谷(東京層下部基底面)」の範囲に該当しますので、大地震の際の揺れが大きくなる可能性があります。

※ [国土地理院地図] → [土地の成り立ち・土地利用] → [土地条件図]

【参照】地下に「埋没谷」があると、何が悪いのか?

 表層地盤増幅率

表層地盤における地震時の揺れの大きさを示す地盤増幅率は”1.94”です。
都区内の武蔵野台地エリアではかなり高い数値であり、地震の際の揺れが大きくなる可能性が高い場所です。
※地盤増幅率が”1.8”以上だと、地盤が弱い(揺れやすい)とされます。推奨レベルは”1.6”以下です。

※ [J-SHIS Map(提供:防災科学技術研究所)] → [表層地盤]

【参照】高台立地が原則だが、高台でもダメな場所がある(J-SHIS Mapの見方)

近隣のボーリング調査

敷地内に公開されたボーリング調査地点はありません。
東方にある調査地点では、
表層面からN値3以上あるので、都区内では悪くないレベルです。
ただ、深度29mほどでもN値5くらいしかありません。
支持層に到達するのは、深度33mを超えるようです。
周辺の他の地点も同様の柱状図です。埋没谷の影響も見られ、マンション用地として良い地盤ではありません。
※地層は、数メートル離れただけで大きく変わることがあるので、購入の際には、対象地の地盤調査報告書を取り寄せましょう。

浸水リスク

最大約0.5mの浸水可能性の指摘があります。
内水氾濫としては少し大きな数値です。谷沢川の川筋からは逸れているのですが、浸水可能性があることを示すメッシュが連続している立地です。
想定を超える大雨が降った場合には、浸水被害が拡大する可能性がある立地です。

※ [東京都建設局 浸水予想区域図] → [浸水リスク検索サービス]

 建物

2002年1月竣工のSRC造地下1階地上12階建です。
施工会社は、マンション建設に実績のある「東洋建設」及び「藤木工務店」の共同企業体です。
建物は、東側の上階が欠けたような形ですが、全体的にどっしりとした形状なので、損壊リスクは低いでしょう。

 接面道路

西側都道(幅員約33m)、北側区道(幅員約40m)、東側区道(幅員約6m)の3本の道路と接面している3方路地です。
北側区道は、東名高速道路の高架下にある道路です。全体の幅員は、40mほどありますが、世田谷区の道路台帳に記載されている、対象地の北側に接面している部分の道路幅員は約11.8m~15.1mとなっています。
環八通り(都道)沿いなので、系統連続性は良好です。
接道状況及び系統連続性は良好であり、火災時の災害リスクは低いです。

地域危険度調査

東京都の「地震に関する地域危険度測定調査」によると、「玉川台2丁目」の地域危険度は“1”(※)であり、災害に対して強い地域であるとされています。
※地域危険度は、5段階評価で1が最も安全であることを示しています。

周辺環境他

「警視庁犯罪情報マップ」の「全刑法犯発生数2023年累計」を見ると、玉川台2丁目は9件となっており、治安は“5段階で1番安全なレベル”です。
環八通り及び東名高速道路の沿線であることから、気管支や肺に病気を持つお子さんがいるファミリーにはお勧めできません。

【参照】幹線道路沿いの物件を勧めない理由

 本マンションの総評

埋没谷エリアで表層地盤増幅率がかなり高く、近隣のボーリング調査も良くありません。
浸水リスクを多少感じる場所です。
全体的にどっしりとした形状であり、建物自体の損壊リスクは低いと判断します。
接道状況及び系統連続性は良好であり、火災時の災害リスクは低いです。

埋没谷エリアで表層地盤増幅率がかなり高く、近隣のボーリング調査も良くないので、地盤リスクだけでマイナス2とします。浸水リスクも認めますが、さほど大きな被害には繋がらないと思いますので、防災力を“レベル3”とします。(5段階評価で5が最も安全)

≪注意事項≫
1. 本件評価は、不動産鑑定評価の手法に則ったものではありません。公開された情報のみを根拠とした「簡易評価」であり、実際に購入の判断をする際には、より詳細な調査が必要となります。
2. 本件評価の「リスク評価」は相対的なものです。防災上、“絶対に安全”といえる立地はありません。
3. 本件評価により損害や紛争が発生した場合でも、当社は責任を負いません。