物件名　I-MARK TOWER [アイマークタワー]

１．大地震が発生しても安全か

【所在】〒104-0052 東京都中央区月島１丁目８−１

標高・地形

※ [国土地理院地図] → [土地の成り立ち・土地利用] → [土地条件図]

地盤ハザード(災害危険)エリア

●東京都建設局が公開している「東京の液状化予測図」では、敷地の過半が「液状化の可能性が高い地域」に含まれています。
●最も新しい地層である「沖積層」の堆積エリアに含まれます。沖積層は、まだ固まり切っていない軟弱な地層であり、地震時に揺れやすい傾向があります。

※ 東京都建設局 → [東京の液状化予測図]

表層地盤増幅率

●標準より高い数値であり、地震時の揺れが大きくなる可能性が高い場所です。
※地盤増幅率が”1.8”以上だと地盤が弱い(揺れやすい)とされます。推奨レベルは”1.6”以下です。

※ [J-SHIS Map(提供：防災科学技術研究所)] → [表層地盤]

【参照】高台立地が原則だが、高台でもダメな場所がある(J-SHIS Mapの見方)

近隣のボーリング調査

●敷地内に公開されたボーリング調査地点はありません。
●西方及び北方で近接する調査地点では、
▼深度8mほどまでN値2以下の柔らかい地層が続きますが、深度13m過ぎにN値50超の地層となります。
▼それ以降、N値20を切る地層が混在するものの、概ね固い地層を保ちます。
▼深度27m過ぎに支持層に到達するようです。
▼地下水位の下に砂質の地層が広がっているので、液状化の可能性は高いです。
●近隣にある調査地点も、概ね同様の地盤ですが、支持層の深さが30mを超える場所もあります。
●比較的浅いうちに固い地層となるものの、液状化の懸念が拭えず、支持層も深い可能性があるので、地盤リスクがないとはいえません。
※地層は、数メートル離れただけで大きく変わることがあるので、購入の際には、当該地の地盤調査報告書を取り寄せましょう

建物

●縦長のタワー型高層マンションです。
●タワー形状の高層マンションは、防災面からは良い点がありません。万が一、施工不良があった場合には即大きな建物損壊リスクに繋がりますし、発災後にエレベーターが動かなくなると、高層階の住民は難儀するでしょう。防犯面等のメリットはありますが、本サイトは”防災”の観点からの評価になりますので、タワー形状の高層建物というだけでマイナス評価とします。
●また、タワー形状の建物の場合は、築15年～20年経ったら、耐震診断も実施した方がいいようです。

【参照】タワーマンションを防災面では評価しない理由(より詳細に)

２．1000年に一度の大水害が発生しても安全か

【高潮ハザードマップ】

※ [東京都港湾局] → [高潮リスク検索サービス]

【内水氾濫・洪水が発生した場合の浸水想定区域】

※重ねるハザードマップ (出典：「ハザードマップポータルサイト」)

３．その他の災害リスク

接面道路

●北東側(幅員約10.9m)、北西側(幅員約10.9m)、南東側(幅員約5.4m)の3本の区道に接面する3方路地です。
●接道部分では、敷地後退をして歩道等を整備・拡張しています。
●周辺にある都道との接続は容易なので、系統連続性は良好です。
●接道状況及び系統連続性は良好であり、火災時の災害リスクは低いです。

地域危険度調査

●東京都の「地震に関する地域危険度測定調査」によると、「月島1丁目」の地域危険度は“３”(※)であり、災害リスクが多少残る地域であるとされています。

※地域危険度は、５段階評価で１が最も安全であることを示しています。

周辺環境他

●「警視庁犯罪情報マップ」の「全刑法犯発生数2024年累計」を見ると、月島1丁目は39件となっており、治安は“5段階で3番目のレベル”です。
●川と運河に囲まれた立地です。大地震や大水害で、運河にかかる橋が損傷するなど、橋の通行に支障が生じる事態となると、避難や救助が遅れる可能性があります。

４．本マンションの総合評価

【地震リスク】
地盤が良いとはいえない場所に建つタワーマンションです。大地震時に建物が損傷するリスクがないとはいえません。
【水害リスク】
湾岸の埋立地で約0.6mの浸水可能性が指摘されているので、浸水リスクは顕在です。
【その他リスク】
橋の通行に支障が生じると災害リスクが増加する立地です。

⇒これらを総合的に勘案し、防災力を“レベル２”とします。
(５段階評価で５が最も安全)

《評価時点》2025年8月