【防災力:5】深沢ハウス

「東南海トラフ地震」「首都直下地震」等の大地震や、千年に一度といわれるような「スーパー台風」「線状降水帯豪雨」等の大水害等に遭遇しても、家族のと”財産を守ることのできる可能性が高い不動産であるか否かを簡易評価します。
災害に強い不動産は資産性も保たれます。
※建物が壊れたら資産性どころの話ではないので。

物件名 深沢ハウス

[所在地] 〒158-0081 東京都世田谷区深沢2丁目1

防災力 Level 5
地盤 []表層地盤増幅率が比較的低い台地、液状化リスク
浸水 []大きな浸水リスクなし
建物 []免震構造
火災 []接道状況及び系統連続性は良好
※5段階評価で5が最も安全(判断基準はこちら)

 標高・地形

標高約35m~40mの台地及び台地から続く切土地に位置します。
東京都建設局が公開している「東京の液状化予測図」では「液状化の可能性がある地域」に該当します。

※ [国土地理院地図] → [土地の成り立ち・土地利用] → [土地条件図]


※ 東京都建設局 → [東京の液状化予測図]

 表層地盤増幅率

表層地盤における地震時の揺れの大きさを示す地盤増幅率は”1.51~1.62”です。
都区内では比較的低い数値であり、地震時の揺れが小さく抑えられる可能性がある場所です。
※地盤増幅率が”1.8”以上だと地盤が弱い(揺れやすい)とされます。推奨レベルは”1.6”未満です。

※ [J-SHIS Map(提供:防災科学技術研究所)] → [表層地盤]

【参照】高台立地が原則だが、高台でもダメな場所がある(J-SHIS Mapの見方)

近隣のボーリング調査

敷地内に公開されたボーリング調査地点はありません。
西方の同地形(台地)にある調査地点では、
深度3mでN値7ほどありますが、深度9m過ぎまでN値4の地層が存在します。
深度18m~19mでN値50超の固い層となりますが、柱状図の表記が20mまでしかなく、当該地盤が支持層か否かの判断ができません。
周辺の調査地点も、支持層までの表記があるものがなく、支持層の深さは不明です。
また、地下水位の下に砂質の地層が見られるので、液状化の可能性は否定できません。ただ、砂質の地層が大部分を占めているという訳でもないので、液状化リスクは深刻なレベルではないと考えます。
表層面に問題はなさそうですが、支持層の深さが把握できず、液状化の可能性も否定できないので、地盤の良い場所とはいえません。
※地層は、数メートル離れただけで大きく変わることがあるので、購入の際には、対象地の地盤調査報告書を取り寄せましょう。

浸水リスク

敷地の境界付近に0.3mほどの浸水可能性が指摘されていますが、敷地全体に大きな影響はないものと考えます。
※想定を超える大雨が降った場合には、内水氾濫の被害が拡大する可能性があります。

※ [東京都建設局 浸水予想区域図] → [浸水リスク検索サービス]

 建物

2004年6月竣工のRC造地上3階建~19階建です。
施工会社は、大手ゼネコンの「長谷工コーポレーション」です。
全13棟に免震構造が採用されており、建物損壊リスクは低いです。

 接面道路

南側(幅員約10m)、西側(幅員約6m)、東側(幅員11m超)の3本の区道と接面する3方路地です。接道部分では、敷地後退をして歩道等を整備しています。
北側には隣接して駒沢公園があります。
周辺にボトルネックとなるような狭い道路もなく、系統連続性は良好です。
接道状況及び系統連続性に問題はなく、火災時の災害リスクは低いです。

地域危険度調査

東京都の「地震に関する地域危険度測定調査」によると、「深沢2丁目」の地域危険度は“1”(※)であり、災害に対して強い地域であるとされています。
※地域危険度は、5段階評価で1が最も安全であることを示しています。

周辺環境他

「警視庁犯罪情報マップ」の「全刑法犯発生数2023年累計」を見ると、深沢2丁目は8件となっており、治安は“5段階で1番安全なレベル”です。

 本マンションの総評

表層地盤増幅率は比較的良好ですが、「液状化の可能性がある地域」に該当します。
ボーリング調査でも、液状化の可能性を否定できませんでした。
大きな浸水リスクはないでしょう。
全棟に免震構造が採用されており、建物損壊リスクは低いです。
接道状況及び系統連続性に問題はなく、火災時の災害リスクは低いでしょう。

「液状化の可能性がある地域」に該当し、ボーリング調査でも液状化の可能性が否定できなかったので、地盤リスクを否定できません。ただ、地盤の固さとしては大きな問題のない場所に、どっしりとした形をした免震構造の建物を建てていることから、建物が損壊するリスクは低いと考えます。液状化リスクは顕在ですが、防災レベルを下げるほどの深刻なリスクには繋がらないと判断します。よって、防災力を“レベル5”とします。(5段階評価で5が最も安全)

≪注意事項≫
1. 本件評価は、不動産鑑定評価の手法に則ったものではありません。公開された情報のみを根拠とした「簡易評価」であり、実際に購入の判断をする際には、より詳細な調査が必要となります。
2. 本件評価の「リスク評価」は相対的なものです。防災上、“絶対に安全”といえる立地はありません。
3. 本件評価により損害や紛争が発生した場合でも、当社は責任を負いません。