【防災力:4】ドレッセ世田谷桜レジデンス

「東南海トラフ地震」「首都直下地震」等の大地震や、千年に一度といわれるような「スーパー台風」「線状降水帯豪雨」等の大水害等に遭遇しても、家族の”命”と”財産”を守ることのできる可能性が高い不動産であるか否かを簡易評価します。
災害に強い不動産は資産性も保たれます。
※建物が壊れたら資産性どころの話ではないので。

物件名 ドレッセ世田谷桜レジデンス

[所在地] 〒156-0053 東京都世田谷区桜3丁目18−6

防災力 Level 4
地盤 []ボーリング調査があまり良くない
浸水 []谷筋
建物 []少し複雑な形状の中層RC造建物
火災 []接道状況及び系統連続性は良好
※5段階評価で5が最も安全(判断基準はこちら)

 標高・地形

標高約44m~46mの谷底低地(一部、切土地)に位置します。
「液状化」「埋没谷」等の地盤ハザードエリアに該当しません。

※ [国土地理院地図] → [土地の成り立ち・土地利用] → [土地条件図]

 表層地盤増幅率

表層地盤における地震時の揺れの大きさを示す地盤増幅率は”1.45”です。
都区内では低い数値であり、地震時の揺れが小さく抑えられる可能性が高い場所です。
※地盤増幅率が”1.8”以上だと地盤が弱い(揺れやすい)とされます。推奨レベルは”1.6”以下です。

※ [J-SHIS Map(提供:防災科学技術研究所)] → [表層地盤]

【参照】高台立地が原則だが、高台でもダメな場所がある(J-SHIS Mapの見方)

近隣のボーリング調査

敷地内と思われるボーリング調査地点では、深度12mほどでもN値が2であるなど表層面から柔らかい地層が続き、支持層に到達するのは深度14mほどとなるようです。
支持層が比較的浅いので、マンション用地としては悪い場所ではありませんが、深度12m過ぎまで柔らかい地層が続くので、良い地盤とはいえません。
※地層は、数メートル離れただけで大きく変わることがあるので、購入の際には、当該地の地盤調査報告書を取り寄せましょう。

浸水リスク

敷地の一部に約0.1mの浸水可能性の指摘がありますが、地形や標高から見て、全体に大きな影響を与えることはないものと判断します。
ただ、谷筋なので、想定を超える大雨が降った場合には、浸水被害が拡大する可能性があります。

※ [東京都建設局 浸水予想区域図] → [浸水リスク検索サービス]

 建物

2013年10月竣工の中層RC造建物(地下2階地上9階建)です。
施工会社は、準大手ゼネコンの「東急建設」です。
建物形状は、立面図で見るとかなり複雑にセットバックをしていますが、中層建物なので大きな損壊リスクには繋がらないと判断します。

 接面道路

南側都道(幅員約15m)、西側区道(幅員約6~6.3m ) 、北西側区道(幅員約4.3~6m )の3本の道路と接面している3方路地です。
都道に面していますので、系統連続性は良好です。
接道状況及び系統連続性は良好であり、火災時の災害リスクは低いです。

地域危険度調査

東京都の「地震に関する地域危険度測定調査」によると、「桜3丁目」の地域危険度は“1”(※)であり、災害に強い地域であるとされています。
※地域危険度は、5段階評価で1が最も安全であることを示しています。

周辺環境他

「警視庁犯罪情報マップ」の「全刑法犯発生数2023年累計」を見ると、桜3丁目は12件となっており、治安は“5段階で1番安全なレベル”です。

 本マンションの総評

表層地盤増幅率が良好な谷底低地に位置します。
ボーリング調査を見ると、深度12m過ぎまで柔らかい地層が続くので地盤が良い場所とはいえません。
浸水可能性の指摘は小さい数値にとどまりますが、谷筋なので、浸水リスクがないとはいえません。
中層建物なので、大きな損壊リスクはないと判断します。
接道状況及び系統連続性は良好であり、火災時の災害リスクは低いです。

敷地内のボーリング調査があまり良くない結果なので、地盤リスクへの懸念が多少残ります。浸水リスクも大きくはないですが、谷筋なので豪雨の際などには注意が必要です。建物も大きなリスクはないですが、シンプルな形状の建物と比較すると多少は損傷するリスクを感じます。これらのリスクをまとめてマイナス1とし、防災力を“レベル4”とします。(5段階評価で5が最も安全)

≪注意事項≫
1. 本件評価は、不動産鑑定評価の手法に則ったものではありません。公開された情報のみを根拠とした「簡易評価」であり、実際に購入の判断をする際には、より詳細な調査が必要となります。
2. 本件評価の「リスク評価」は相対的なものです。防災上、“絶対に安全”といえる立地はありません。
3. 本件評価により損害や紛争が発生した場合でも、当社は責任を負いません。