【防災力:4】シティハウス成城
「東南海トラフ地震」「首都直下地震」等の大地震や、千年に一度といわれるような「スーパー台風」「線状降水帯豪雨」等の大水害等に遭遇しても、家族の”命”と”財産”を守ることのできる可能性が高い不動産であるか否かを簡易評価します。
災害に強い不動産は資産性も保たれます。
※建物が壊れたら資産性どころの話ではないので。
物件名 シティハウス成城
[所在地] 〒157-0066 東京都世田谷区成城3丁目15−1他
防災力 | Level 4 |
地盤 | [2]急傾斜地崩壊危険箇所、傾斜地 |
浸水 | [4]大きな浸水リスクなし |
建物 | [5]2004年竣工の低層RC造建物 |
火災 | [4]系統連続性はやや良好 |
※5段階評価で5が最も安全(判断基準はこちら) |
標高・地形
●標高約17m~22mの傾斜地(谷底低地と近い切土地)に位置します。
●傾斜地の場合、表層面が高い方から低い方へと動こうとする自然の力が働きます。そのため、長い年月の間に地面がずれることがあり得ます。
●対象地の後背地は、標高差十数mにもなる崖地です。
●東京都建設局が公開している「土砂災害警戒区域等マップ」では、敷地の一部が「急傾斜地崩壊危険箇所」に指定されています。
●対象地は、12万年前~16万年前に作られたという「埋没谷(東京層下部基底面)」の範囲に該当しますので、大地震の際の揺れが大きくなる可能性があります。
※ [国土地理院地図] → [土地の成り立ち・土地利用] → [土地条件図]
※ 東京都建設局 → [土砂災害警戒区域等マップ]
表層地盤増幅率
●表層地盤における地震時の揺れの大きさを示す地盤増幅率は”1.57”です。
●都区内の武蔵野台地エリアでは標準的な数値であり、地震時の揺れが大きくなる可能性は低い場所です。
※地盤増幅率が”1.8”以上だと地盤が弱い(揺れやすい)とされます。推奨レベルは”1.6″以下です。
※ [J-SHIS Map(提供:防災科学技術研究所)] → [表層地盤]
【参照】高台立地が原則だが、高台でもダメな場所がある(J-SHIS Mapの見方)
近隣のボーリング調査
●敷地内に公開されたボーリング調査地点はありません。
●周辺にある調査地点では、深度4m~7mほどで支持層に到達するようです。
●埋没谷の影響とみられる地層はみられません。
●支持層が浅いので、マンション適地です。
※地層は、数メートル離れただけで大きく変わることがあるので、購入の際には、当該地の地盤調査報告書を取り寄せましょう。
浸水リスク
敷地境界付近に0.2mほどの浸水可能性が指摘されていますが、地形や標高からみて、敷地全体に大きな影響を与えることはないものと判断します。
※想定を超える大雨が降った場合には、内水氾濫の被害が拡大する可能性があります。
※ [東京都建設局 浸水予想区域図] → [浸水リスク検索サービス]
建物
●2004年5月竣工の低層RC造建物(地下1階地上5階建)です。
●施工会社は、スーパーゼネコンの「鹿島建設」です。
●低層RC造建物なので、損壊リスクは低いです。
接面道路
●南西側(幅員約5.7m~7m)、北西側(幅員約3.8m~4m)の2本の区道と接面する2方路地です。
●世田谷通り(都道3号線)へのアクセスは容易であり、系統連続性は「やや良好」とします。
●接道状況及び系統連続性に問題はないので、火災時の災害リスクは低いでしょう。
地域危険度調査
東京都の「地震に関する地域危険度測定調査」によると、「成城3丁目」の地域危険度は“1”(※)であり、災害に強い地域であるとされています。
※地域危険度は、5段階評価で1が最も安全であることを示しています。
周辺環境他
「警視庁犯罪情報マップ」の「全刑法犯発生数2023年累計」を見ると、成城3丁目は9件となっており、治安は“5段階で1番安全なレベル”です。
本マンションの総評
●敷地の一部が「急傾斜地崩壊危険箇所」に指定されている傾斜地です。
●埋没谷エリアにも該当しますが、ボーリング調査は良好な結果です。
●大きな浸水リスクはないと判断します。
●低層RC造建物なので、建物損壊リスクは低いです。
●接道状況及び系統連続性に問題はないので、火災時の災害リスクは低いでしょう。
⇒ボーリング調査は良好なので、地盤の固さに問題はないと思われますが、「急傾斜地崩壊危険箇所」に指定されている崖の下に位置する傾斜地なので、土砂災害のリスクがあります。その他のリスクは低いので、防災力を“レベル4”とします。(5段階評価で5が最も安全)
≪注意事項≫
1. 本件評価は、不動産鑑定評価の手法に則ったものではありません。公開された情報のみを根拠とした「簡易評価」であり、実際に購入の判断をする際には、より詳細な調査が必要となります。
2. 本件評価の「リスク評価」は相対的なものです。防災上、“絶対に安全”といえる立地はありません。
3. 本件評価により損害や紛争が発生した場合でも、当社は責任を負いません。