【防災力:4】ブランズ牛込柳町
「東南海トラフ地震」「首都直下地震」等の大地震や、千年に一度といわれるような「スーパー台風」「線状降水帯豪雨」等の大水害等に遭遇しても、家族の”命”と”財産”を守ることのできる可能性が高い不動産であるか否かを簡易評価します。
災害に強い不動産は資産性も保たれます。
※建物が壊れたら資産性どころの話ではないので。
物件名 ブランズ牛込柳町
[所在地] 〒162-0851 東京都新宿区弁天町72−2
防災力 | Level 4 |
地盤 | [3]傾斜地、ボーリング調査がいま一つ |
浸水 | [5]浸水可能性の指摘なし |
建物 | [5]2024年竣工の中層RC造建物 |
火災 | [2]接道状況及び系統連続性がやや劣る |
※5段階評価で5が最も安全(判断基準はこちら) |
標高・地形
●標高約23m~27m、谷底低地に挟まれた切土地(傾斜地)に位置します。
●傾斜地の場合、表層面が高い方から低い方へと動こうとする自然の力が働きます。そのため、長い年月の間に地面がずれることがありえます。コンクリートでガチガチに固めているので問題ないと見る向きもありますが、平坦地と比較したら、地盤リスクがないとはいえません。
●建物部分(建築面積に相当)の高低差は4mほどです。メインエントランスは、東の台地側にあり、西側から見ると2階となるようです。
●擁壁で土留めしている訳ではないので、大きな傾斜地リスクはないと考えます。
●「液状化」「埋没谷」等の地盤ハザードエリアに該当しません。
※ [国土地理院地図] → [土地の成り立ち・土地利用] → [土地条件図]
表層地盤増幅率
●表層地盤における地震時の揺れの大きさを示す地盤増幅率は”1.44~1.5”です。
●都区内では低い数値であり、地震時の揺れが小さく抑えられる可能性が高い場所です。
※地盤増幅率が”1.8”以上だと地盤が弱い(揺れやすい)とされます。推奨レベルは”1.6”以下です。
※ [J-SHIS Map(提供:防災科学技術研究所)] → [表層地盤]
【参照】高台立地が原則だが、高台でもダメな場所がある(J-SHIS Mapの見方)
近隣のボーリング調査
●敷地内に公開されたボーリング調査地点はありません。
●周辺にある調査地点では、
▼表層はN値3以上ある地点が多いです。
▼それ以降、固い地層と少し柔らかい地層が混在し、支持層の深さは浅い地点で15mほど、深い地点で25mほどのようです。
▼地下水位の下に、砂質の地層が存在する地点が複数あります。粘土質に近いものが多いようで、大きな問題はないと思われますが、液状化リスクがないとはいえません。
●支持層がそれなりに深い可能性があり、液状化の兆候も垣間見えるので、マンション用地として良い地盤とはいえません。
※地層は、数メートル離れただけで大きく変わることがあるので、購入の際には、当該地の地盤調査報告書を取り寄せましょう。
浸水リスク
浸水可能性は指摘されていません。
※ [東京都建設局 浸水予想区域図] → [浸水リスク検索サービス]
建物
●2024年1月竣工の中層RC造建物(地上6階建)です。
●施工会社は、長谷工コーポレーション系列の「不二建設」です。
●中層RC造建物なので、損壊リスクは低いでしょう。
接面道路
●西側都道(幅員約17.6m)、東側区道(幅員約3.2m~3.7m)の2本の道路に接面する2方路地です。
●西側都道から本件マンションへのアプローチには、車両の通行は不可能な細いスロープ状の路地を通り、屋外にあるエレベーターで1段上がる必要があります。
●西側都道からは少し距離があり、東側区道は緊急車両の通行に支障がある可能性を感じる細街路です。
●対象地の東方は、同様の細街路が広がっている地域です。
●接道状況及び系統連続性はやや劣り、火災時の災害リスクをある程度計上します。
地域危険度調査
東京都の「地震に関する地域危険度測定調査」によると、「弁天町」の地域危険度は“3”(※)であり、災害リスクが多少残る地域であるとされています。
※地域危険度は、5段階評価で1が最も安全であることを示しています。
周辺環境他
「警視庁犯罪情報マップ」の「全刑法犯発生数2023年累計」を見ると、弁天町は4件となっており、治安は“5段階で1番安全なレベル”です。
本マンションの総評
●表層地盤増幅率が良好な切土地(傾斜地)に位置します。
●高低差4mほどの傾斜地ですが、大規模な擁壁等の築造は視認できません。
●ボーリング調査は、あまり良い結果ではありません。
●浸水可能性は指摘されていません。
●中層RC造建物なので、損壊リスクは低いでしょう。
●接道状況及び系統連続性はやや劣り、火災時の災害リスクをある程度計上します。
⇒ボーリング調査があまり良い結果ではないので、傾斜地であることも含め、多少の地盤リスクを認めます。緊急車両の接近に支障がある可能性があるので、火災時の災害リスクも計上します。これらを総合的に勘案し、防災力を“レベル4”とします。(5段階評価で5が最も安全)
≪注意事項≫
1. 本件評価は、不動産鑑定評価の手法に則ったものではありません。公開された情報のみを根拠とした「簡易評価」であり、実際に購入の判断をする際には、より詳細な調査が必要となります。
2. 本件評価の「リスク評価」は相対的なものです。防災上、“絶対に安全”といえる立地はありません。
3. 本件評価により損害や紛争が発生した場合でも、当社は責任を負いません。