【防災力:3】ブランズ二子玉川

「東南海トラフ地震」「首都直下地震」等の大地震や、千年に一度といわれるような「スーパー台風」「線状降水帯豪雨」等の大水害等に遭遇しても、家族の”命”と”財産”を守ることのできる可能性が高い不動産であるか否かを簡易評価します。
災害に強い不動産は資産性も保たれます。
※建物が壊れたら資産性どころの話ではないので。

物件名 ブランズ二子玉川


[所在地] 〒158-0094 東京都世田谷区玉川3丁目1−9

防災力 Level 3
地盤 []表層地盤増幅率及びボーリング調査が良好
浸水 []多摩川と野川の合流地点の河岸
建物 []免震構造
火災 []接道状況及び系統連続性は良好
※5段階評価で5が最も安全(判断基準はこちら)

 標高・地形

標高約12m~14m、多摩川・野川の合流地点にある河川敷の一段高くなっている場所に位置しています。
地形図的には、高い盛土地(約2m以上盛土した人工造成地)となります。
盛土地は、過去の大地震でも大きな被害を出した、地盤リスクが非常に高い地形です。
対象地は、最も新しい地層である「沖積層」の堆積エリアに含まれます。沖積層は、まだ固まり切っていない軟弱な地層であり、地震時に揺れやすい傾向があります。

※ [国土地理院地図] → [土地の成り立ち・土地利用] → [土地条件図]

 表層地盤増幅率

表層地盤における地震時の揺れの大きさを示す地盤増幅率は”1.46”です。
都区内では低い数値であり、地震時の揺れが小さく抑えられる可能性が高い場所です。
※地盤増幅率が”1.8”以上だと地盤が弱い(揺れやすい)とされます。推奨レベルは”1.6”以下です。

※ [J-SHIS Map(提供:防災科学技術研究所)] → [表層地盤]

【参照】高台立地が原則だが、高台でもダメな場所がある(J-SHIS Mapの見方)

近隣のボーリング調査

敷地内に公開されたボーリング調査地点はありません。
北西にある調査地点:
深度2m過ぎにN値が7あり、表層面としては問題のない場所です。
深度7mほどで、一旦N値3の柔らかい地層が挟まりますが、深度8m過ぎには支持層へ到達するようです。
支持層が浅いので、マンション適地といえます。
※地層は、数メートル離れただけで大きく変わることがあるので、購入の際には、当該地の地盤調査報告書を取り寄せましょう。

浸水リスク

対象地は多摩川と野川の合流地点にあり、少し前までは無堤地域であった場所です。
現在は、新たに対象地の多摩川側に堤防が築造されたので、昔よりは安全になったと思われますが、昨今、毎年のように繰り返される”想定外”の災害を念頭に置くと、やはり浸水リスクが顕著な場所だと言わざるを得ません。
ハザードマップでは、3m~5mの浸水リスクが指摘されていますが、想定を超える大雨が降った場合には、浸水被害が拡大する可能性がある立地です。

※ [東京都建設局 浸水予想区域図] → [浸水リスク検索サービス]

 建物

2015年1月竣工のRC造地上17階建です。
施工会社は、準大手ゼネコンの「東急建設」です。
建物には『免震構造』が採用されているので、損壊リスクは低いです。

 接面道路

北東側(幅員約6m)、西側(幅員約5.7m~8.5m )の2本の区道に敷地の3方を囲まれた3方路地です。
玉川通りへのアクセスは容易であり、系統連続性は良好です。
接道状況及び系統連続性は良好であり、火災時の災害リスクは低いです。

地域危険度調査

東京都の「地震に関する地域危険度測定調査」によると、「玉川3丁目」の地域危険度は“1”(※)であり、災害に強い地域であるとされています。
※地域危険度は、5段階評価で1が最も安全であることを示しています。

周辺環境他

「警視庁犯罪情報マップ」の「全刑法犯発生数2023年累計」を見ると、玉川3丁目は91件となっており、治安は“5段階で最悪のレベル”です。

 本マンションの総評

沖積層の堆積エリアに該当する、河川敷の大規模盛土地に位置しています。
表層地盤増幅率及びボーリング調査は良好です。
多摩川と野川の合流地点に位置しているので、浸水リスクは非常に大きいです。
免震構造を採用しているので、建物損壊リスクは低いです。
接道状況及び系統連続性は良好であり、火災時の災害リスクは低いです。

大規模盛土地に立地していますが、表層地盤増幅率及びボーリング調査が良好なので、大きな地盤リスクはないと判断します。多摩川と野川の合流地点にある河川敷に位置し、3m~5mの浸水可能性が指摘されているので、浸水リスクは非常に大きいです。浸水リスクでマイナス2とし、防災力を“レベル3”とします。(5段階評価で5が最も安全)

≪注意事項≫
1. 本件評価は、不動産鑑定評価の手法に則ったものではありません。公開された情報のみを根拠とした「簡易評価」であり、実際に購入の判断をする際には、より詳細な調査が必要となります。
2. 本件評価の「リスク評価」は相対的なものです。防災上、“絶対に安全”といえる立地はありません。
3. 本件評価により損害や紛争が発生した場合でも、当社は責任を負いません。