【防災力:4】朝日白金台マンション

「東南海トラフ地震」「首都直下地震」等の大地震や、千年に一度といわれるような「スーパー台風」「線状降水帯豪雨」等の大水害等に遭遇しても、家族の”命”と”財産”を守ることのできる可能性が高い不動産であるか否かを簡易評価します。
災害に強い不動産は資産性も保たれます。
※建物が壊れたら資産性どころの話ではないので。

物件名 朝日白金台マンション

[所在地] 〒108-0071 東京都港区白金台3丁目2−7

防災力 Level 4
地盤 []液状化、埋没谷、ボーリング調査も良くない
浸水 []浸水可能性の指摘なし
建物 []複雑な形状
火災 []接道状況及び系統連続性は良好
※5段階評価で5が最も安全(判断基準はこちら)

 標高・地形

標高約30m~31mの台地に位置します。
東京都建設局が公開している「東京の液状化予測図」では「液状化の可能性がある地域」に該当します。
対象地は、12万年前~16万年前に作られたという「埋没谷(東京層下部基底面)」の範囲に該当しますので、大地震の際の揺れが大きくなる可能性があります。

※ [国土地理院地図] → [土地の成り立ち・土地利用] → [土地条件図]


※ 東京都建設局 → [東京の液状化予測図]

【参照】地下に「埋没谷」があると、何が悪いのか?

 表層地盤増幅率

表層地盤における地震時の揺れの大きさを示す地盤増幅率は”1.54”です。
都区内では比較的低い数値であり、地震時の揺れが小さく抑えられる可能性がある場所です。
※地盤増幅率が”1.8”以上だと地盤が弱い(揺れやすい)とされます。推奨レベルは”1.6”以下です。

※ [J-SHIS Map(提供:防災科学技術研究所)] → [表層地盤]

【参照】高台立地が原則だが、高台でもダメな場所がある(J-SHIS Mapの見方)

近隣のボーリング調査

敷地内に公開されたボーリング調査地点はありません。
周辺にある同地形(台地)の調査地点では、
表層はN値4以上あるので、問題はなさそうです。
ただ、N値10前後のマンション用地としては柔らかい地層が、深度26mほどで続いています。
支持層の深さは、29m超のようです。
地下水位の下に砂質の地層が存在するので、液状化の可能性は否定できません。
地下深い部分まで柔らかい地層が続いているので「埋没谷」の影響も否定できません。
支持層が深く、液状化の懸念も残るので、地盤の良い場所とはいえません。
※地層は、数メートル離れただけで大きく変わることがあるので、購入の際には、当該地の地盤調査報告書を取り寄せましょう。

浸水リスク

浸水可能性は指摘されていません。

※ [東京都建設局 浸水予想区域図] → [浸水リスク検索サービス]

 建物

2000年11月竣工のSRC造地下1階地上14階建です。
施工会社は、準大手ゼネコンの「熊谷組」です。
複雑な形状なので、シンプルな形状の建物と比較すると多少の損傷リスクはあるでしょう。

 接面道路

北西側都道(幅員約16.6m)、北東側私道の2本の道路に接面する2方路地です。
目黒通り(都道)に面しているので、系統連続性は良好です。
接道状況及び系統連続性は良好であり、火災時の災害リスクは低いです。

地域危険度調査

東京都の「地震に関する地域危険度測定調査」によると、「白金台3丁目」の地域危険度は“2”(※)であり、災害に比較的強い地域とされています。
※地域危険度は、5段階評価で1が最も安全であることを示しています。

周辺環境他

「警視庁犯罪情報マップ」の「全刑法犯発生数2023年累計」を見ると、白金台3丁目は9件となっており、治安は“5段階で1番安全なレベル”です。

 本マンションの総評

表層地盤増幅率が比較的良好な台地に位置しますが、「液状化の可能性がある地域」及び「埋没谷の範囲」に該当します。
ボーリング調査も良い結果ではありません。
浸水可能性は指摘されていません。
複雑な形状なので、多少の建物損傷リスクはあるでしょう。
接道状況及び系統連続性は良好であり、火災時の災害リスクは低いです。

「液状化の可能性がある地域」及び「埋没谷の範囲」に該当し、ボーリング調査も良い結果ではないので、地盤リスクを無視できません。複雑な形状の建物なので、大地震時の損傷リスクも計上します。これらを総合的に勘案し、防災力を“レベル4”とします。(5段階評価で5が最も安全)

≪注意事項≫
1. 本件評価は、不動産鑑定評価の手法に則ったものではありません。公開された情報のみを根拠とした「簡易評価」であり、実際に購入の判断をする際には、より詳細な調査が必要となります。
2. 本件評価の「リスク評価」は相対的なものです。防災上、“絶対に安全”といえる立地はありません。
3. 本件評価により損害や紛争が発生した場合でも、当社は責任を負いません。