【防災力:2】アクアテラ
「東南海トラフ地震」「首都直下地震」等の大地震や、千年に一度といわれるような「スーパー台風」「線状降水帯豪雨」等の大水害等に遭遇しても、家族の”命”と”財産”を守ることのできる可能性が高い不動産であるか否かを簡易評価します。
災害に強い不動産は資産性も保たれます。
※建物が壊れたら資産性どころの話ではないので。
物件名 アクアテラ
[所在地] 〒123-0865 東京都足立区新田3丁目37−11他
防災力 | Level 2 |
地盤 | [1]液状化、地盤増幅率が最悪レベル、軟弱地盤 |
浸水 | [3]最大約2.6mの浸水可能性 |
建物 | [4]概ねシンプルな形状 |
火災 | [5]接道状況及び系統連続性は良好 |
※5段階評価で5が最も安全(判断基準はこちら) |
標高・地形
●標高6m余り、荒川と隅田川に挟まれた低地帯(過半は自然堤防)に位置します。
●「自然堤防」は、洪水時に運ばれた砂等が、流路沿いに堆積してできた微高地です。
●アクアテラカーム・スクエアは、東京都建設局が公開している「東京の液状化予測図」では「液状化の可能性がある地域」に該当します。
●対象地は、最も新しい地層である「沖積層」の堆積エリアに含まれます。沖積層は、まだ固まり切っていない軟弱な地層であり、地震時に揺れやすい傾向があります。
※ [国土地理院地図] → [土地の成り立ち・土地利用] → [土地条件図]
※ 東京都建設局 → [東京の液状化予測図]
表層地盤増幅率
●表層地盤における地震時の揺れの大きさを示す地盤増幅率は”2.32~2.37”です。
●全国的にも最悪レベルの数値であり、大地震時に震度7となる可能性が高い場所です。
※地盤増幅率が”1.8”以上だと地盤が弱い(揺れやすい)とされます。推奨レベルは”1.6”以下です。
※ [J-SHIS Map(提供:防災科学技術研究所)] → [表層地盤]
【参照】高台立地が原則だが、高台でもダメな場所がある(J-SHIS Mapの見方)
近隣のボーリング調査
●敷地内に公開されたボーリング調査地点はありません。
●周辺にある調査地点では、
▼深度20m前後までN値0~2の非常に柔らかい地層が続いています。
▼支持層の深さは32m~41mほどのようです。
▼地下水位の下に砂質の地層が存在するので、液状化の可能性があります。
●地中の深いところまで柔らかい地層が続き、液状化の可能性もある、いわゆる「軟弱地盤」です。
※地層は、数メートル離れただけで大きく変わることがあるので、購入の際には、当該地の地盤調査報告書を取り寄せましょう。
浸水リスク
●最大約2.6mの浸水可能性が指摘されています。
●対象地は、盛土で地盤面をかさ上げしていますが、昨今「想定外」の災害が毎年のように起きていることを想起しますと、ハザードマップの想定を超える事態はあり得ます。
※ [東京都建設局 浸水予想区域図] → [浸水リスク検索サービス]
建物
●2008年1月竣工のRC造地下1階地上18階建です。
●施工会社は、中堅ゼネコンの「鴻池組」及び準大手ゼネコンの「フジタ」です。
●概ねシンプルな形状なので、建物自体の損壊リスクは低いでしょう。
接面道路
●北側(幅員約15m)、西側(幅員約17m)の2本の区道と接面する角地です。
●周辺の幹線道路との接続は容易なので、系統連続性は良好です。
●接道状況及び系統連続性は良好であり、火災時の災害リスクは低いです。
地域危険度調査
東京都の「地震に関する地域危険度測定調査」によると、「新田3丁目」の地域危険度は“2”(※)であり、災害に比較的強い地域であるとされています。
※地域危険度は、5段階評価で1が最も安全であることを示しています。
周辺環境他
「警視庁犯罪情報マップ」の「全刑法犯発生数2023年累計」を見ると、新田3丁目は56件となっており、治安は“5段階で最悪レベル”です。
本マンションの総評
●「液状化の可能性がある地域」及び「沖積層の堆積エリア」に該当する、荒川と隅田川に挟まれた低地帯に位置します。
●表層地盤増幅率は全国的にも最悪レベルの数値です。
●ボーリング調査では、柔らかい地層が地中の深いところまで続き、液状化の可能性もある、「軟弱地盤」であることが把握できます。
●最大約2.6mの浸水可能性が指摘されています。
●建物自体の損壊リスクは低いと判断します。
●接道状況及び系統連続性は良好であり、火災時の災害リスクは低いです。
⇒液状化及び沖積層エリアに該当する、荒川と隅田川に挟まれた低地帯に位置し、表層地盤増幅率が全国的にも最悪レベルである上に、ボーリング調査も良くない「軟弱地盤」なので、地盤リスクは非常に大きいです。大きな川に挟まれた場所なので、浸水リスクも顕在です。これらを総合的に勘案し、防災力を“レベル2”とします。 (5段階評価で5が最も安全)
≪注意事項≫
1. 本件評価は、不動産鑑定評価の手法に則ったものではありません。公開された情報のみを根拠とした「簡易評価」であり、実際に購入の判断をする際には、より詳細な調査が必要となります。
2. 本件評価の「リスク評価」は相対的なものです。防災上、“絶対に安全”といえる立地はありません。
3. 本件評価により損害や紛争が発生した場合でも、当社は責任を負いません。