【防災力:5】メトロエステート西巣鴨

「東南海トラフ地震」「首都直下地震」等の大地震や、千年に一度といわれるような「スーパー台風」「線状降水帯豪雨」等の大水害等に遭遇しても、家族のと”財産を守ることのできる可能性が高い不動産であるか否かを簡易評価します。
災害に強い不動産は資産性も保たれます。
※建物が壊れたら資産性どころの話ではないので。

物件名 メトロエステート西巣鴨


[所在地] 〒170-0001 東京都豊島区西巣鴨3丁目25−11

防災力 Level 5
地盤 []表層地盤増幅率が優良レベルの台地
浸水 []大きな浸水リスクなし
建物 []全体的にはどっしりとした形状
火災 []接道状況及び系統連続性は良好
※5段階評価で5が最も安全(判断基準はこちら)

 標高・地形

標高約26m~27mの台地に位置します。
東京都建設局が公開している「東京の液状化予測図」では「液状化の可能性がある地域」に敷地の一部が含まれています。

※ [国土地理院地図] → [土地の成り立ち・土地利用] → [土地条件図]


※ 東京都建設局 → [東京の液状化予測図]

 表層地盤増幅率

表層地盤における地震時の揺れの大きさを示す地盤増幅率は”1.34~1.37”です。
都区内で優良レベルであり、地震時の揺れが小さくなる可能性が高い場所です。
※地盤増幅率が”1.8”以上だと地盤が弱い(揺れやすい)とされます。推奨レベルは”1.6”以下です。

※ [J-SHIS Map(提供:防災科学技術研究所)] → [表層地盤]

【参照】高台立地が原則だが、高台でもダメな場所がある(J-SHIS Mapの見方)

近隣のボーリング調査

敷地内にあるボーリング調査地点では、
深度4m過ぎまでN値2~3の柔らかい地層が続きます。
その後少し固い層となりますが、深度約15m~23mで、N値が10~20ほどの、埋没谷エリアのような地層が存在します。
支持層の深さは24m過ぎのようです。
東側接面道路上にある調査地点でも、深度23mまでN値10ほどの埋没谷エリアのような地層が存在し、支持層の深さは24m過ぎです。
地中の深い部分までN値10ほどの地層が存在し、支持層も深いので、マンション用地として良い場所とはいえませんが、地震時に揺れが大きくなるような軟弱地盤でもありません。
地下水位の下に砂質の地層がありますが、そのほとんどはN値が20を超えるので、液状化の可能性は低いと考えます。
※地層は、数メートル離れただけで大きく変わることがあるので、購入の際には、当該地の地盤調査報告書を取り寄せましょう。

浸水リスク

敷地の一部に約0.3mの浸水可能性が指摘されていますが、地形や標高から見て、敷地全体に大きな影響はないものと考えます。
※想定を超える大雨が降った場合には、内水氾濫の被害が拡大する可能性があります。

※ [東京都建設局 浸水予想区域図] → [浸水リスク検索サービス]

 建物

1991年3月竣工のSRC造地下1階地上13階建です。
施工会社は、当時中堅ゼネコンクラスであった「東海興業」です。
東海興業は、1997年7月に会社更生法を申請、2005年3月に更生手続きが終結したものの、2013年4月に民事再生法を申請することとなっています。ただ、本件建物の施工期間には掛かっていませんので、倒産の影響はありません。
建物は、少し複雑な形状ですが、全体的にはどっしりとした形状であるので、大きな建物損壊リスクはないと判断します。
また、建物が少し古くなってきているので、修繕等のメンテナンスがきちんと行われているかのチェックは必須です。

 接面道路

北東側国道(幅員60m超)、北西側都道(幅員20m超)、南西側私道の3本の道路と接面する3方路地です。
中山道(国道)及び明治通り(都道)と接面しているので、系統連続性は良好です。
接道状況及び系統連続性は良好であり、火災時の災害リスクは低いです。

地域危険度調査

東京都の「地震に関する地域危険度測定調査」によると、「西巣鴨3丁目」の地域危険度は“2”(※) であり、災害に比較的強い地域であるとされています。
※地域危険度は、5段階評価で1が最も安全であることを示しています。

周辺環境他

「警視庁犯罪情報マップ」の「全刑法犯発生数2023年累計」を見ると、西巣鴨3丁目は8件となっており、治安は“5段階で1番安全なレベル”です。
中山道及び明治通りの交差点に位置することから、気管支や肺に病気を持つお子さんがいるファミリーにはお勧めできません。

【参照】幹線道路沿いの物件を勧めない理由

 本マンションの総評

表層地盤増幅率が優良レベルの台地に位置します。
ボーリング調査はあまり良い結果ではありませんが、液状化等の深刻な問題も見られません。
大きな浸水リスクはないでしょう。
全体的にはどっしりとした形状の建物なので、大きな損壊リスクはないと判断します。
接道状況及び系統連続性は良好であり、火災時の災害リスクは低いです。

「液状化の可能性がある地域」に掛かりますが、ボーリング調査では液状化の可能性は低いようにみえます。表層地盤増幅率が優良レベルの台地に位置しますので、大きな地盤リスクはないと判断します。他のリスクも低いので、防災力を“レベル5”とします。(5段階評価で5が最も安全)

≪注意事項≫
1. 本件評価は、不動産鑑定評価の手法に則ったものではありません。公開された情報のみを根拠とした「簡易評価」であり、実際に購入の判断をする際には、より詳細な調査が必要となります。
2. 本件評価の「リスク評価」は相対的なものです。防災上、“絶対に安全”といえる立地はありません。
3. 本件評価により損害や紛争が発生した場合でも、当社は責任を負いません。