物件名　グローリオ南阿佐ヶ谷

１．大地震が発生しても安全か

[所在地] 〒166-0015 東京都杉並区成田東５丁目２９−４

標高・地形

●台地から谷地に至る傾斜地です。
●傾斜地の場合、表層面が高い方から低い方へと動こうとする自然の力が働きます。そのため、長い年月の間に地面がずれることがありえます。コンクリートでガチガチに固めているので問題ないと見る向きもありますが、平坦地と比較したら、地盤リスクがないとはいえません。

※ [国土地理院地図] → [土地の成り立ち・土地利用] → [土地条件図]

地盤ハザード(災害危険)エリア

表層地盤増幅率

●かなり大きな数値で、大地震時に震度7となる可能性がある場所です。
※地盤増幅率が”1.8″以上だと地盤が弱い(揺れやすい)とされます。推奨レベルは”1.6″以下です。

※ [J-SHIS Map(提供：防災科学技術研究所)] → [表層地盤]

【参照】高台立地が原則だが、高台でもダメな場所がある(J-SHIS Mapの見方)

近隣のボーリング調査

●敷地内に公開されたボーリング調査地点はありません。
●南東方で近接する複数の調査地点では、
▼深度8m弱でN値50超の地層となります。
▼深度11m弱にN値19のマンション用地としては柔らかい地層が混在します。
▼深度15m弱で再度N値50超の地層となりますが、柱状図の表記が15mまでしかないので、この地層が支持層かどうかは不明です。。
●浅いうちに固い地層となるので、深刻な問題のない地盤であると判断します。
※地層は、数メートル離れただけで大きく変わることがあるので、購入の際には、対象地の地盤調査報告書を取り寄せましょう。

建物

●土地の傾斜に合わせて、建物の1階レベルが階段状になっています。
●低層RC造建物なので、深刻な被害には繋がらないと考えますが、平坦地の建物と比較すると、多少の損傷リスクを認めます。

２．1000年に一度の大水害が発生しても安全か

※ [東京都建設局 浸水予想区域図] → [浸水リスク検索サービス]

３．その他の災害リスク

接面道路

●南東側(幅員約9m)、南西側(幅員約3.8m)の2本の区道に接面している角地です。
●南西側接面道路は幅員が4m未満ですが、接面部分に関しては、そのほとんどで敷地後退し歩道を整備しています。
●青梅街道から対象地まで幅員5m超を維持できる道路はないものの、幅員4m超は維持できるため、系統連続性は普通と判断します。
●接道状況及び系統連続性に問題はなく、火災時の災害リスクは低いと判断します。

地域危険度調査

東京都の「地震に関する地域危険度測定調査」によると、「成田東5丁目」の地域危険度は“４”(※)であり、災害リスクが大きい地域であるとされています。

※地域危険度は、５段階評価で１が最も安全であることを示しています。

周辺環境他

●「警視庁犯罪情報マップ」の「全刑法犯発生数2023年累計」を見ると、成田東5丁目は20件となっており、治安は“5段階で2番目に安全なレベル”です。
●南側に高校が隣接しており、騒がしく感じる可能性があります。

４．本マンションの総合評価

【地震リスク】
深刻な地盤リスクはないと推察される場所に建つ低層RC造建物なので、大きな被害はないと考えますが、敷地の高低差に合わせて建物の1階レベルが階段状になっている建物なので、損傷する可能性は多少あるでしょう。
【水害リスク】
標高や地形からみて、大きな浸水リスクはないと判断します。
【その他リスク】
大きなリスクを感じるような要素なし

⇒これらを総合的に勘案し、防災力を“レベル４”とします。
(５段階評価で５が最も安全)

《評価時点》2025年10月