【防災力:3】蘆花公園ザ・レジデンス

「東南海トラフ地震」「首都直下地震」等の大地震や、千年に一度といわれるような「スーパー台風」「線状降水帯豪雨」等の大水害に遭遇しても、家族の”命”と”財産”を守ることができる不動産なのか否かを簡易評価します。
災害に強い不動産は資産性も保たれます。
※建物が壊れたら資産性どころの話ではないので。

物件名 蘆花公園ザ・レジデンス

 

1.大地震が発生しても安全か

地震に強い

対地震 Level  5/5 (リスク小)
地盤ハザード [3/5]「埋没谷」に該当
地盤増幅率 [5/5]優良レベル
ボーリング [4/5]概ね良好
建物 [5/5]2018年竣工の中層RC造建物
【対地震の評価】
地盤
表層地盤増幅率が優良レベルで、ボーリング調査でも、浅いうちから固い地層となり、支持層も比較的浅いことが推察されるので、問題のない地盤であると判断します。
建物
2018年竣工の中層RC造建物なので、損壊リスクは低いです。
〔対地震総評〕
地盤に問題がないと推察される場所に建つ、中層RC造建物なので、大地震が発生しても被害を受ける可能性は低いと判断します。

[所在地] 〒157-0063 東京都世田谷区粕谷2丁目23−14他

標高・地形

標高 約43m~45m
地形 谷底低地、台地斜面

標高約43m~45m、北棟(フォレストコート)は「谷底低地」に位置します。南棟(ブライトコート)の地形は「台地斜面」です。敷地のほとんどは、昔の川筋に当たります。


※ [国土地理院地図] → [土地の成り立ち・土地利用] → [土地条件図]

地盤ハザード(災害危険)エリア

液状化 該当なし
沖積層 該当なし
埋没谷 範囲に該当
急傾斜等 該当なし

12万年前~16万年前に作られたという「埋没谷(東京層下部基底面)」の範囲に該当しますので、大地震の際の揺れが大きくなる可能性があります。

【参照】地下に「埋没谷」があると、何が悪いのか?

表層地盤増幅率

表層地盤増幅率 1.34~1.37

優良レベルであり、地震時の揺れが小さくなる可能性が高い場所です。
※地盤増幅率が”1.8”以上だと地盤が弱い(揺れやすい)とされます。推奨レベルは、”1.6”以下です。


※ [J-SHIS Map(提供:防災科学技術研究所)] → [表層地盤]

【参照】高台立地が原則だが、高台でもダメな場所がある(J-SHIS Mapの見方)

周辺のボーリング調査

敷地内に公開されたボーリング調査地点はありません。
周辺にある調査地点では、
深度6m~7mでN値40~50の固い地層に到達するようです。
それ以降、多少柔らかい地層が混在しますが、支持層の深さは、13m~15mほどのようです。
浅いうちに固い地層に到達し、支持層も比較的浅いようなので、問題のない地盤です。
埋没谷の存在が疑われる、深度十数mでN値が少し落ち込む地点もありますが、N値10未満の地層が続くような地点はなく、この場所における埋没谷の影響は限定的なのではないかと考えます。
※地層は、数メートル離れただけで大きく変わることがあるので、購入の際には、対象地の地盤調査報告書を取り寄せましょう。

建物

築年 2018年1月竣工
構造 RC造2棟(地上8階建及び地上9階建)
施工会社 長谷工コーポレーション、不二建設
その他

中層RC造建物なので、損壊リスクは低いでしょう。

2.1000年に一度の大水害が発生しても安全か

対水害 Level  2/5 (浸水リスク大)
標高 約43m~45m
地形 谷底低地、台地斜面
浸水深 [内水氾濫等]約2m
【対水害の評価】
標高・地形
標高約43m~45mの「谷底低地」「台地斜面」に位置します。
北棟(フォレストコート)の敷地は、暗渠となっている烏山川の川筋に当たります。
浸水深
最大2mほどの浸水可能性が指摘されています。
〔対水害総評〕
暗渠である烏山川流域の谷底低地に位置し、約2mの浸水可能性が指摘されているので、浸水リスクは大きいです。
想定を超える大雨が降った場合には、浸水被害が発生する可能性がある立地です。


※ [東京都建設局 浸水予想区域図] → [浸水リスク検索サービス]

3.その他の災害リスク

その他 Level  5/5 (特段の災害リスクなし)
接道状況 良好(接面道路幅員約12m)
系統連続性 良好
地域危険度 災害に強い地域
その他

接面道路

西側(幅員約12m)、北側(幅員約6m)、南側(幅員約5m~6m)の3本の区道と接面している3方路地です。
敷地内及び周辺には歩行者用の通路が整備されていますので、4方路地のような接道状況となっています。
西側接面道路は幅員も広く、甲州街道及び環八通りへのアクセスにボトルネックとなるような箇所はないので、系統連続性も良好です。
接道状況及び系統連続性は良好であり、火災時の災害リスクは低いです。

地域危険度調査

東京都の「地震に関する地域危険度測定調査」によると、「粕谷2丁目」の地域危険度は”1”(※)であり、災害に強い地域であるとされています。


※地域危険度は、5段階評価で1が最も安全であることを示しています。

周辺環境他

「警視庁犯罪情報マップ」の「全刑法犯発生数2024年累計」を見ると、粕谷2丁目は8件となっており、治安は“5段階で1番安全なレベル”です。

4.本マンションの総合評価

総合 Level  3/5
[対地震] Level  5/5 (リスク小)
[対水害] Level  2/5 (浸水リスク大)
[その他] Level  5/5 (特段の災害リスクなし)

地震リスク
地盤に問題がないと推察される場所に建つ、中層RC造建物なので、大地震が発生しても被害を受ける可能性は低いと判断します。
水害リスク
暗渠である烏山川流域の谷底低地に位置し、約2mの浸水可能性が指摘されているので、浸水リスクは大きいです。
その他リスク
特段の災害リスクなし

⇒これらを総合的に勘案し、防災力を“レベル3”とします。
(5段階評価で5が最も安全)

≪注意事項≫
1. 本件評価は、不動産鑑定評価の手法に則ったものではありません。公開された情報のみを根拠とした「簡易評価」であり、実際に購入の判断をする際には、より詳細な調査が必要となります。
2. 本件評価の「リスク評価」は相対的なものです。防災上、“絶対に安全”といえる立地はありません。
3. 本件評価により損害や紛争が発生した場合でも、当社は責任を負いません。

評価時点》2025年10月