物件名　プラウドタワー平井

１．大地震が発生しても安全か

[所在地] 〒132-0035 東京都江戸川区平井５丁目１７−１

標高・地形

●地形は大部分が「河川沿いの微高地」です。

※ [国土地理院地図] → [土地の成り立ち・土地利用] → [土地条件図]

地盤ハザード(災害危険)エリア

●東京都建設局が公開している「東京の液状化予測図」では、「液状化の可能性がある地域」に含まれています。
●最も新しい地層である「沖積層」の堆積エリアに含まれます。沖積層は、まだ固まり切っていない軟弱な地層であり、地震時に揺れやすい傾向があります。

※ 東京都建設局 → [東京の液状化予測図]

表層地盤増幅率

●非常に高い数値であり、大地震時に震度7となる可能性が高い場所です。
※地盤増幅率が”1.8”以上だと地盤が弱い(揺れやすい)とされます。推奨レベルは”1.6”以下です。

※ [J-SHIS Map(提供：防災科学技術研究所)] → [表層地盤]

【参照】高台立地が原則だが、高台でもダメな場所がある(J-SHIS Mapの見方)

周辺のボーリング調査

●敷地内に公開されたボーリング調査地点はありません。
●比較的近い、北東方にある調査地点では、
▼深度17m～20mほどまでN値0のズブズブの柔らかい地層、深度23m～25mほどまでN値3以下の地層が続きます。
▼深度33m～35mにN値10を超えるものの、深度56mほどまでN値15以下の地層が続きます。
▼深度59m過ぎに支持層に到達するようです。
▼地下水位の下に砂質の地層が存在するので、液状化の可能性は否定できません。
●地中深くまで柔らかい地層が続き、液状化の可能性もある、いわゆる「軟弱地盤」です。
※地層は、数メートル離れただけで大きく変わることがあるので、購入の際には、当該地の地盤調査報告書を取り寄せましょう。

建物

●免震構造ですが、縦長のタワー型高層マンションです。
●タワー形状の高層マンションは、防災面からは良い点がありません。万が一、施工不良があった場合には即大きな建物損壊リスクに繋がりますし、発災後にエレベーターが動かなくなると、高層階の住民は難儀するでしょう。防犯面等のメリットはありますが、本サイトは”防災”の観点からの評価になりますので、タワー形状の高層建物というだけでマイナス評価とします。
●免震構造を採用しているので、損壊リスクは低いですが、災害リスクは残ると判断します。

【参照】タワーマンションを防災面では評価しない理由(より詳細に)
【参考】東日本大震災から学んだのは「“想定”が少ない方が安全」（免震構造についての私見が含まれます)

２．1000年に一度の大水害が発生しても安全か

【高潮ハザードマップ】

※ [東京都港湾局] → [高潮リスク検索サービス]

【洪水・内水氾濫が発生した場合の浸水想定区域】

※重ねるハザードマップ (出典：「ハザードマップポータルサイト」)

３．その他の災害リスク

接面道路

●北西側都道(道路幅員約25m)、南東側駅前広場(道路幅員約15m)、南西側区道(幅員約15m)、北東側区道(幅員約8m)の4本の道路に周囲を囲まれた独立画地(4方路地)です。
●蔵前橋通り(都道)に接面しているので、系統連続性は良好です。
●接道状況及び系統連続性は良好であり、火災時の災害リスクは低いです。

地域危険度調査

●東京都の「地震に関する地域危険度測定調査」によると、「平井5丁目」の地域危険度は“３”(※)であり、災害リスクが多少残る地域であるとされています。

※地域危険度は、５段階評価で１が最も安全であることを示しています。

周辺環境他

●「警視庁犯罪情報マップ」の「全刑法犯発生数2024年累計」を見ると、平井5丁目は48件となっており、治安は“5段階で4番目の悪いレベル”です。

４．本マンションの総合評価

【地震リスク】
「軟弱地盤」エリアは震度７となる可能性が高い場所です。支持杭が破損する可能性もあります。免震構造の建物であっても、損害が発生する可能性は高いでしょう。
【水害リスク】
海抜ゼロメートル地帯に位置し、5mを超える浸水可能性が指摘されているので、浸水リスクは非常に大きいです。
【その他リスク】
特段の災害リスクなし

⇒これらを総合的に勘案し、防災力を“レベル１”とします。
(５段階評価で５が最も安全)

《評価時点》2025年11月