【防災力:2】プラウドシティ梅島
「東南海トラフ地震」「首都直下地震」等の大地震や、千年に一度といわれるような「スーパー台風」「線状降水帯豪雨」等の大水害等に遭遇しても、家族の”命”と”財産”を守ることのできる可能性が高い不動産であるか否かを簡易評価します。
災害に強い不動産は資産性も保たれます。
※建物が壊れたら資産性どころの話ではないので。
物件名 プラウドシティ梅島
[所在地] 〒123-0851 東京都足立区梅田7丁目19−16
防災力 | Level 2 |
地盤 | [1]液状化、地盤増幅率が最悪レベル、軟弱地盤 |
浸水 | [2]荒川氾濫3m~5m未満、高潮約1.9m |
建物 | [4]概ねシンプルな形状 |
火災 | [4]系統連続性は普通 |
※5段階評価で5が最も安全(判断基準はこちら) |
標高・地形
●標高0m前後、荒川流域の「海抜ゼロメートル地帯」に位置します。
●東京都建設局が公開している「東京の液状化予測図」では、「液状化の可能性が高い地域」に該当します。
●対象地は、最も新しい地層である「沖積層」の堆積エリアに含まれます。沖積層は、まだ固まり切っていない軟弱な地層であり、地震時に揺れやすい傾向があります。
※ [国土地理院地図] → [土地の成り立ち・土地利用] → [土地条件図]
※ 東京都建設局 → [東京の液状化予測図]
表層地盤増幅率
●表層地盤における地震時の揺れの大きさを示す地盤増幅率は”2.52~2.55”です。
●全国的にも最悪レベルの数値であり、大地震時に震度7となる可能性が高い場所です。
※地盤増幅率が”1.8”以上だと地盤が弱い(揺れやすい)とされます。推奨レベルは”1.6”以下です。
※ [J-SHIS Map(提供:防災科学技術研究所)] → [表層地盤]
【参照】高台立地が原則だが、高台でもダメな場所がある(J-SHIS Mapの見方)
近隣のボーリング調査
●敷地内にある公開されたボーリング調査地点では、
▼深度17m過ぎまでN値0のズブズブの柔らかい地層が続いています。
▼深度23m過ぎまでN値3以下の柔らかい地層が続き、
▼深度46m過ぎても、N値10以下の地層が存在します。
▼支持層の深さは54mほどと非常に深いようです。
▼地下水位の下に砂質の地層が広がっているので、液状化の可能性は高いです。
●周辺にある調査地点も、概ね同様の地盤です。
●地中の深いところまで柔らかい地層が続き、液状化の可能性も高い、いわゆる「軟弱地盤」です。
浸水リスク
●高潮により最大約1.9mの浸水可能性が指摘されています。
●荒川の氾濫では、3m~5m未満の浸水可能性が指摘されています。
●雨水出水により最大約1.7mの浸水可能性が指摘されています。
●対象地は、荒川河岸と標高差がほとんどない立地であり、昨今「想定外」の災害が毎年のように起きていることを想起しますと、ハザードマップの想定を超える事態はあり得ます。
【高潮ハザードマップ】
※ [東京都港湾局] → [高潮リスク検索サービス]
【荒川が氾濫した場合の浸水想定区域】
※重ねるハザードマップ (出典:「ハザードマップポータルサイト」)
【雨水出水】
※ [東京都建設局 浸水予想区域図] → [浸水リスク検索サービス]
建物
●2005年2月竣工のRC造地上15階建です。
●施工会社は、大手ゼネコンの「長谷工コーポレーション」及び「前田建設工業」の共同企業体です。
●概ねシンプルな形状なので、建物自体の損壊リスクは低いと判断します。
接面道路
●北側(幅員約10.2m)、西側(幅員約4.4m)、南側(幅員約5.4m)の3本の区道に接面する3方路地です。
●幹線道路まで直線的に接続する道路はないので、系統連続性は普通とします。
●接道状況及び系統連続性に問題はなく、火災時の災害リスクは低いと判断します。
地域危険度調査
東京都の「地震に関する地域危険度測定調査」によると、「梅田7丁目」の地域危険度は“3”(※)であり、災害リスクが多少残る地域であるとされています。
※地域危険度は、5段階評価で1が最も安全であることを示しています。
周辺環境他
「警視庁犯罪情報マップ」の「全刑法犯発生数2023年累計」を見ると、梅田7丁目は34件となっており、治安は“5段階で3番目のレベル”です。
本マンションの総評
●荒川流域の「海抜ゼロメートル地帯」に位置し、「液状化の可能性が高い地域」及び「沖積層の堆積エリア」に該当します。
●表層地盤増幅率は全国的にも最悪レベルの高い数値です。
●ボーリング調査でも、地中の深いところまで柔らかい地層が存在し、液状化の可能性も高い、いわゆる「軟弱地盤」であることが把握されます。
●荒川氾濫で3m~5m未満、高潮で約1.9mの浸水可能性が指摘されています。
●建物自体の損壊リスクは低いと判断します。
●接道状況及び系統連続性に問題はなく、火災時の災害リスクは低いと判断します。
⇒「液状化の可能性が高い地域」及び沖積層エリアに該当し、表層地盤増幅率が全国的にみても最悪レベルな上に、ボーリング調査でも「軟弱地盤」といえる結果なので、地盤リスクは非常に大きく、マイナス2とします。荒川氾濫で3m~5m未満、高潮で約1.9mの浸水可能性が指摘されており、浸水リスクも大きいです。これらを総合的に勘案し、防災力を“レベル2”とします。 (5段階評価で5が最も安全)
≪注意事項≫
1. 本件評価は、不動産鑑定評価の手法に則ったものではありません。公開された情報のみを根拠とした「簡易評価」であり、実際に購入の判断をする際には、より詳細な調査が必要となります。
2. 本件評価の「リスク評価」は相対的なものです。防災上、“絶対に安全”といえる立地はありません。
3. 本件評価により損害や紛争が発生した場合でも、当社は責任を負いません。