【防災力:5】クレッセント目白

「東南海トラフ地震」「首都直下地震」等の大地震や、千年に一度といわれるような「スーパー台風」「線状降水帯豪雨」等の大水害等に遭遇しても、家族の”命”と”財産”を守ることのできる可能性が高い不動産であるか否かを簡易評価します。
災害に強い不動産は資産性も保たれます。
※建物が壊れたら資産性どころの話ではないので。

物件名 クレッセント目白

[所在地] 〒171-0032 東京都豊島区雑司が谷2丁目3−1

防災力 Level 5
地盤 []表層地盤増幅率が優良レベルの台地
浸水 []大きな浸水リスクなし
建物 []1999年竣工の中層RC造建物
火災 []接道状況及び系統連続性は良好
※5段階評価で5が最も安全(判断基準はこちら)

 標高・地形

標高約30m~31mの台地に位置します。
「液状化」「埋没谷」等の地盤ハザードエリアに該当しません。

※ [国土地理院地図] → [土地の成り立ち・土地利用] → [土地条件図]

 表層地盤増幅率

表層地盤における地震時の揺れの大きさを示す地盤増幅率は”1.39”です。
都区内で優良レベルであり、地震時の揺れが小さくなる可能性が高い場所です。
※地盤増幅率が”1.8”以上だと地盤が弱い(揺れやすい)とされます。推奨レベルは”1.6”以下です。

※ [J-SHIS Map(提供:防災科学技術研究所)] → [表層地盤]

【参照】高台立地が原則だが、高台でもダメな場所がある(J-SHIS Mapの見方)

近隣のボーリング調査

敷地内に公開されたボーリング調査地点はありません。
近隣にある調査地点では、
深度7m~9mにN値1~2等の非常に柔らかい地層が存在します。
深度10mほどでN値30を超える地点が多いです。
支持層の深さは26m~30mほどのようです。
浅い部分に柔らかい地層がありますが、深度10mほどで固い地層となるようなので、地震の際に揺れが大きくなるようリスクは大きくないと判断します。
※地層は、数メートル離れただけで大きく変わることがあるので、購入の際には、当該地の地盤調査報告書を取り寄せましょう。

浸水リスク

敷地の周縁部に0.3mほどの浸水可能性が指摘されていますが、標高や地形からみて、敷地全体に大きな影響はないものと考えます。
※想定を超える大雨が降った場合には、内水氾濫が拡大する可能性があります。

※ [東京都建設局 浸水予想区域図] → [浸水リスク検索サービス]

 建物

1999年8月竣工の中層RC造建物(地下1階地上9階建)です。
施工会社は、準大手ゼネコンの「熊谷組」です。
複雑な形状の建物ですが、地盤に深刻な問題がなさそうな高台に建つ中層RC造建物なので、大きな損壊リスクはないと判断します。
ただ、建物が少し古くなってきているので、修繕等のメンテナンスがきちんと行われているかのチェックは必須です。

 接面道路

南側都道(幅員約18.2m)、東側区道(幅員約3.2m~4m)、北側区道(幅員約3.3m~4m)の3本の道路に接面する3方路地です。
目白通りに接面しているので、系統連続性は良好です。
接道状況及び系統連続性は良好であり、対象地の火災時の災害リスクは低いです。
ただ、対象地の後背地には細街路が広がっているため、近隣で火災が発生した場合には、影響を受ける可能性があります。

地域危険度調査

東京都の「地震に関する地域危険度測定調査」によると、「雑司が谷2丁目」の地域危険度は“4”(※)であり、災害リスクが大きい地域であるとされています。
※地域危険度は、5段階評価で1が最も安全であることを示しています。

周辺環境他

「警視庁犯罪情報マップ」の「全刑法犯発生数2023年累計」を見ると、雑司が谷2丁目は10件となっており、治安は“5段階で1番安全なレベル”です。
本件マンション分譲時売主の「モリモト」は、2008年に民事再生法の手続きを申し立て経営破綻していますが、本件マンションは1999年に分譲されているので、特段のマイナスはないと判断します。

 本マンションの総評

表層地盤増幅率が優良レベルの台地に位置します。
ボーリング調査でも、地盤に深刻な問題は見出せません。
大きな浸水リスクはないでしょう。
形状は複雑ですが、中層RC造建物なので、大きな損壊リスクはないと判断します。接道状況及び系統連続性は良好であり、火災時の災害リスクは低いです。

表層地盤増幅率が優良レベルの台地に位置し、ボーリング調査でも深刻な問題は見られないので、地盤リスクは低いと判断します。その場所に建つ中層RC造建物なので、形状は少々複雑ですが、大きな損壊リスクはないでしょう。浸水リスクも火災リスクも大きなものではないので、防災力を“レベル5”とします。(5段階評価で5が最も安全)

≪注意事項≫
1. 本件評価は、不動産鑑定評価の手法に則ったものではありません。公開された情報のみを根拠とした「簡易評価」であり、実際に購入の判断をする際には、より詳細な調査が必要となります。
2. 本件評価の「リスク評価」は相対的なものです。防災上、“絶対に安全”といえる立地はありません。
3. 本件評価により損害や紛争が発生した場合でも、当社は責任を負いません。