【防災力:5】ザ・パークハウス中野弥生町テラス
「東南海トラフ地震」「首都直下地震」等の大地震や、千年に一度といわれるような「スーパー台風」「線状降水帯豪雨」等の大水害等に遭遇しても、家族の”命”と”財産”を守ることのできる可能性が高い不動産であるか否かを簡易評価します。
災害に強い不動産は資産性も保たれます。
※建物が壊れたら資産性どころの話ではないので。
物件名 ザ・パークハウス中野弥生町テラス
[所在地] 〒164-0013 東京都中野区弥生町5丁目11−11
防災力 | Level 5 |
地盤 | [4]近隣のボーリング調査結果に問題なし |
浸水 | [5]浸水可能性の指摘なし |
建物 | [4]大きな建物損壊リスクなし |
火災 | [5]接道状況及び系統連続性は良好 |
※5段階評価で5が最も安全(判断基準はこちら) |
標高・地形
●標高約37m~38mの台地に位置します。
●対象地は、12万年前~16万年前に作られたという「埋没谷(東京層下部基底面)」の範囲に該当しますので、大地震の際の揺れが大きくなる可能性があります。
※ [国土地理院地図] → [土地の成り立ち・土地利用] → [土地条件図]
表層地盤増幅率
●表層地盤における地震時の揺れの大きさを示す地盤増幅率は”1.64~1.7”です。
●都区内の武蔵野台地エリアではやや高い数値であり、地震時の揺れが大きくなる可能性がある場所です。
※地盤増幅率が”1.8”以上だと地盤が弱い(揺れやすい)とされます。推奨レベルは”1.6”以下です。
※ [J-SHIS Map(提供:防災科学技術研究所)] → [表層地盤]
【参照】高台立地が原則だが、高台でもダメな場所がある(J-SHIS Mapの見方)
近隣のボーリング調査
●敷地内に公開されたボーリング調査地点はありません。
●近隣にある対象地と同地形(台地)の複数の調査地点では、表層面でN値5を超えるようです。
●周辺の地点の柱状図から、支持層の深さは、17mほどではないかと推察します。
●表層面に問題がなく、支持層もさほど深くはないので、大きな地盤リスクのない場所なのではないかと思います。
●表層地盤増幅率が高い理由は見出せませんでしたが、一旦固い地層となってから、深度15m前後でN値20未満の少し柔らかい地層が出現するなど、埋没谷の影響は見られます。
※地層は、数メートル離れただけで大きく変わることがあるので、購入の際には、当該地の地盤調査報告書を取り寄せましょう。
浸水リスク
浸水可能性は指摘されていません。
※ [東京都建設局 浸水予想区域図] → [浸水リスク検索サービス]
建物
●2015年7月竣工のRC造地上14階建です。
●施工会社は、マンション建設を多く手掛ける「大豊建設」です。
●少し縦長の建物2棟が接合したような形状です。北側の建物は全体的にシンプルな形状なのでさほどリスクを感じませんが、南側の建物は、より縦長で、西側がセットバックされるなど、少々複雑な形状となっています。
●2015年竣工の建物ですし、これのみで防災レベルを下げるほどの大きなリスクはないと思いますが、横長でシンプルな形状の建物と比較したら、多少はリスクを感じます。
接面道路
●東側都道(幅員約15m)(幅員約15m)、南側区道(幅員約5m~5.5m)、北側私道の3本の道路と接面している3方路地です。南東側の接道部分で、一部、敷地後退をして歩道を拡張しています。
●都道と接面しているので、系統連続性は良好です。
●接道状況及び系統連続性は良好であり、火災時の災害リスクは低いです。
地域危険度調査
東京都の「地震に関する地域危険度測定調査」によると、「弥生町5丁目」の地域危険度は“1”(※)であり、災害に強い地域であるとされています。
※地域危険度は、5段階評価で1が最も安全であることを示しています。
周辺環境他
「警視庁犯罪情報マップ」の「全刑法犯発生数2023年累計」を見ると、弥生町5丁目は11件となっており、治安は“5段階で1番安全なレベル”です。
本マンションの総評
●表層地盤増幅率がやや高めで、埋没谷の範囲に該当しています。
●近隣のボーリング調査は悪くないので、地盤リスクはさほど大きなものではないと判断します。
●浸水可能性は指摘されていません。
●特に南側の棟は、縦長で、西側をセットバックした形状ですが、2015年竣工の建物なので、大きな損壊リスクはないと判断します。
●接道状況及び系統連続性は良好であり、火災時の災害リスクは低いです。
⇒埋没谷エリアで、表層地盤増幅率の数値もやや高めですが、近隣のボーリング調査結果は悪くないので、地盤リスクはさほど大きなものではないと判断します。建物損壊リスクも、大きなものではないと判断し、防災力を“レベル5”とします。(5段階評価で5が最も安全)
≪注意事項≫
1. 本件評価は、不動産鑑定評価の手法に則ったものではありません。公開された情報のみを根拠とした「簡易評価」であり、実際に購入の判断をする際には、より詳細な調査が必要となります。
2. 本件評価の「リスク評価」は相対的なものです。防災上、“絶対に安全”といえる立地はありません。
3. 本件評価により損害や紛争が発生した場合でも、当社は責任を負いません。